震災から10年経ちました。これまでのたくさんのご支援ありがとうございました。
いらっしゃいませ。マリンパル保育士小野寺です。タイトルにもあるように、東日本大震災の発生から10年を迎えました。当時を少し振り返ってみると・・・。地震発生時、私はここマリンパルで保育中でした。お昼寝していた子ども達を抱え、園庭に避難。ホテルからワゴン車を一台借り、子ども達と待機しました。するとみる見る間にどんどん海の様子が変化し、ホテルのお客様、近隣の町民の方々、自動車で通りかかった方々が次々とマリンパルに避難してみえたため、園内に誘導しました。あっという間に保育室・ホールや廊下は避難者でいっぱいになってしまいました。電気・水道が止まってし舞いましたが。室内なので、寒さをしのぐには十分でした。その時、いた園児は5名。子ども達が動揺しないように、びっくりしないようにと、贅沢ではありましたが、一つ部屋を確保し、子ども達専用の部屋にしました。その日から日々、避難者の方々の対応と、子ども達が不安にならないようにと配慮し過ごしました。子ども達の各家庭も被災していると判断し、保護者の無事を祈るばかりでした。最初の子のお迎えが来たのは津波から4日目。一人保護者に渡すたびにホッとしました。最後の子どもが帰ったのは津波から1週間後。その間、私たち職員も交代で、町に向かい家族を探したり、安否の確認をしました。
__________________________________
それから約一か月半後。4月22日(だったような気がします)保育を再開しました。幸い建物は地震の被害が無く、すぐに使用できる状態でしたので、町内のどの保育施設よりもいち早く再開できました。子ども達の家庭も被災しており、保護者の方々が生活の再建が安心してできるようにと園の再開を決めました。職員も全員被災しておりましたので、みんなで協力し、助け合いながら必死の日々でした。それでも、早く保育の仕事がしたいと願っていたので、再開した時は本当に嬉しかったです。子ども達も、待ってましたとばかりにのびのびと過ごせる場に笑顔でした。
当然、電気・水道が使えない中での保育でした。給食はお湯で温めたレトルト食品。食器にラップをかぶせての食事。(これはのちに衛生的に良くないからとの指導で、使い捨ての容器が手に入るようになってからそちらに切り替えました。)
再開し初日の食事はカレーライス
手前にある丸い缶に入っているのは、自衛隊より頂いた缶入りの炊き込みご飯です
____________________________________
5月前半園庭で食べている炊き出しの風景・・・。保育を再開するに当たり、水・ミルク・哺乳瓶・おむつ・食事等々不足していることをSNSで発信し、全国からご支援の生活用品が続々とたくさん届けられるようになりました。
園庭の隅には仮設トイレがずらりと並んでいました。これにもずいぶんお世話になりました。水洗用のみずの補充は欠かせません!(女性の後方に見えるのが仮設トイレです)
支援物資の仕分けの風景。子供用品は園の子ども達で使わせていただきますが、その他の日用品は当ホテルの避難所で避難生活をする地域住民約600名の方々にもお渡しするために、保育しながら支援物資の仕分け作業も行います。
日々物資に囲まれて過ごす子ども達でしたが、かくれんぼ気分で遊んでいました。
当時、1歳になったばかりの女の子です。離乳食も十分提供できませんでしたが、よく食べ、良く寝て、すくすく成長する姿は私たちの希望でした。
当時の小野寺です。すっかりやつれてしまい。。。がりがりくんです。人生初のSサイズになりました。今は、、、リバウンドし。。。○○サイズ。。。リバウンドって怖い。。。
紙おむつ等は、地域で困っている方々、気仙沼地域、近隣の保育施設とも分け合うためにお届けしました。
待ちに待った水道から水が出た日!7月2日!
みんな大喜び!水が使える喜びのハイタッチ!
やった~!みずだ~!!おトイレが室内で使える~~~!水のありがたさを実感しました!
____________________________________
震災以来たくさんのボランティアさんが訪問してくださいました。すべてはご紹介できませんが。。。ほんの一部を(^^)
園庭に線路が出来て、汽車が走った日・・・
みんなみんな大興奮!順番待ちで楽しそうでした!
Christmasが近づくと、子ども達に笑顔を!と、サンタクロースが訪問してくれ、楽しい触れ合いが出来ました。
___________________________________
震災以降、全国の多くの方々が南三陸、ホテル、マリンパルに目を向けて、手を差し伸べてくださいました。たくさんの方々の支援の輪、支え、応援があったからこそ、保育を継続でき、安心して生活してこれたのだと実感しています。感謝・ありがとうの気持ちでいっぱいです。10年が経過した今、目の前の子ども達の笑顔を見て思う事。この笑顔を見る為に今日まで頑張ってきたのだと。。。安心してマリンパルで過ごせる環境を作って頂いたおかげで今がある。。。と、実感しています。
震災後、子ども達が笑顔で過ごすことで、親も笑顔になる。みんな笑顔にしようを目標に保育してきたことが、実を結んで今たくさんの笑顔の花が咲いています。
これからも子ども達がいい環境で過ごせるマリンパルにしていきたいと思います。
全国、全世界のみなさま、これまでのたくさんのご支援本当にありがとうございました!
最後に。。。。津波直後からずっとホテルで先頭に立って指揮を執り続けてきた女将さん、震災発生時は気仙沼で被災し、4日かけて自力で南三陸をめざし戻って来られ、途中ご自身のお子さんの避難している小学校へ迎えに行き、引き取り戻って来られた副社長。。。(あの時、娘さんは、小学生。食事代わりに配給されたカロリーメイトを全部食べずにポケットに入れていたそうです。「おかあさんに」とお母さんである女将さんに一口でもあげようと考えていたのですね。その優しさに涙してしまいました)。。。工事関係者、被災者の受入から大変なご苦労の中、私たち従業員の雇用もしっかりと守って下さいました。本当に感謝しております。以来10年。様々な困難を共に乗り越え、さらにいまコロナ禍という事もあり、乗り越えるべき壁に立ち向かっています。震災をみんなで力を合わせて乗り越えてきた、当ホテルだからこそ、きっと大丈夫!と信じています。がんばるぞ!!がんばっぺ!!
震災直後からの一年を短くまとめようとするも、うまくまとまらず。。。文章力、表現力の無さを痛感しております。少しでも、当時の様子をご理解頂けたでしょうか・・・!
最後までお読み頂きありがとうございました。