弊社、株式会社阿部長商店の阿部?兒会長が
平成31年4月24日、享年87歳にて永眠いたしました。
令和元年6月3日、サンマリン気仙沼ホテル観洋にて社葬が執り行われました。
会場では、阿部?兒会長のエピソードをまとめた動画を公開しました。
「一念岩をも通す」
会長を想って浮かぶこの言葉に、その生涯の歩みが表されているように思います。
漁業の盛んな歌津町に生まれた会長は、その生を海と共に歩んで参りました。
漁業を営む両親のもとに育ち、自らも若い頃から魚介類の販売で生計を立てる等、
三陸の雄大な海の恩恵を受けながら、
三陸沿岸部の基幹産業でもある水産業と観光業を軸に
様々な事業開発を行って参りました。
水産事業では、常に現状に甘んじることなく、
鮮魚出荷業、冷凍冷蔵庫業、加工業へと経営展開を進めました。
水産業界の発展にも力を入れ、業界団体等での活動を通して、
衛生管理向上や漁業資源保護の問題に取り組みました。
観光業では、気仙沼、南三陸の魅力向上のため温泉に着手しました。
「温泉を掘れば地域の価値が上がる」
その一心で、温泉が出ないと言われた三陸沿岸地域での掘削を続け、
ついに念願の「南三陸温泉」「気仙沼温泉」を開湯し、
多くの方々に喜んでいただくことができました。
「苦難の中で何を学ぶかだ。それが人生を大きく左右するんだよ」
その言葉通り、晩年、会長は水産工場再建のため衰えた視力で日々設計図と向き合い、
そんな会長の要望に根気強く取り組んでいただいた技術者の方々には、
厚い信頼を寄せていました。
豊富な恩恵とともに時々大きな困難をももたらす海に対峙し続けた八十七年の生涯には
多くの逆境もありましたが、周囲の皆様の支えもあり、
その信念を貫くことができました。
会長に代わりまして、皆様には心より御礼申し上げます。
会長が掲げた弊社の経営理念
『「人」と「海」とを結ぶお手伝いをする』
を胸に、今後も会長の想いと共に、地域に根ざし、地域とともに歩んで参ります。
皆さまには、今後ともご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。