コクガンだけじゃない

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

国の天然記念物にして絶滅危惧種の動物して、

このところ毎週ご紹介しているのが コクガンです。

実は、南三陸町には、同じ天然記念物の「称号」を持つ野生動物が

もう一種居ます。

それは・・・

どうです、この「お顔」。

なかなかベッピンさんの カモシカ(ニホンカモシカ)です。

(厳密にメスかどうか定かではありませんが 笑)

こんなのが、海の絶景が看板のホテル観洋のすぐ裏手の山

棲息しているのです。

イッツ アメィジングゥ~! でしょ?

ちなみに、この25日に 観洋から徒歩5分の

喫茶店 Cafe Gさん前の草地で遭遇しました。

モフモフした毛並みの「カモシカ」。

日本アルプスや八ヶ岳をはじめ、全国各地に棲息していますが、

実は登山をしていても

なかなかその姿を見ることができない存在ではあります。

が、こんなに間近に現れてしまうのが、南三陸町なのです。

 

棲息地は落葉広葉樹の林のある低山地から亜高山帯。

何と!「氷河期からの生き残り」とされ、

岩場や急斜面のある森林に棲み、低木の葉、芽、小枝、花、実を食べています。

こちらは、一緒に居たオスと思しき個体。

つまり食性は草食で、休むときは樹の根元や斜面の岩棚で休むそうです。

 

中でも、九州地方と四国地方のニホンカモシカは生息数が減少していて、

環境省レッドリスト2015年で「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定。

一方で、1934年には国の天然記念物に、

1955年には特別天然記念物に指定されています。

 

ニホンカモシカは日本にしかいない貴重な動物で ウシ科に属します。

また、なわばりを作り 単独で行動していて

まず 4頭程度以上の群れを作ることは無いということです。

 

オスにもメスにも15センチほどの短い角があり、

全体に、白~灰色、灰褐色をしています。

古くは狩猟の対象で食用にされていましたが、

その味が「鴨」のように美味しいから「『カモ』シカ」という説もあるそうな。

ただ、実際には天然記念物に指定されているので

一般に口にすることは出来ませんけどね。

野生のニホンカモシカの姿を見るのは難しい、とされていますが、

何と、観洋周辺では、当たり前のように ごく間近で目撃できます。

まぁ、いつでもというわけにはいきませんが。

 

何より、とにかく南三陸町は

コクガンだけでなく、カモシカまでも養えるほどに、

自然が深く豊かなのだということ。

カモシカは好奇心が強い動物で、

こちらをじ~っと見つめ「観察」してきます。

 

逃げる時も、時々立ち止まっては 振り返り

穴が開くほどこちらをじっと観察しながら離れていきます。

 

 

カモシカはまず人を襲ったりしませんから、

出会った場合には、そっと見守り 刺激しないようにしましょう。

南三陸ホテル観洋近辺を散策すると、

ひょっとしたら、あなたも特別天然記念物

二ホンカモシカに出会えるかも知れません。

コクガン観察ツアー

 

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

19日、コクガン観察モニターツアーにお客様をご案内。

東京と神奈川からのお客様、お二人をコクガンの居る港へ。

この日は、潮が満ちて 波も荒く居心地が悪かったせいか、

いつもの船揚げ場に

コクガンたちの姿はありませんでしたが、

湾内を泳ぐ コクガンたちを確認することが出来ました。

お二人のお客様は、観洋に泊まられるのも初めてなら

コクガンを観るのも初めて。

「きれいな鳥ですねぇ~」「かわいい♪」

「近くに対岸の見える小さな漁港で、大きな船ではなく

小さな漁船が幾艘か係留されている水面に

コクガンの姿が見えるのが 牧歌的でいいですね」

「まるで自然の中の水族館のようですね」という言葉が

次々と飛び出してきました。

震災前には、海上の養殖いかだ近くが採食の場だったのが、

震災後は 一転、津波で志津川湾内の藻場が荒らされ

いかだが流されたことで

採食しにくくなっていたようです。

 

ところが、地震で平均60センチ以上地盤沈下したことにより、

潮の満ち干によって漁港の船揚げ場や岸壁に

アオノリが付着しやすくなり、アマモも漂着することから

コクガンたちにとって、「漁港」が絶好の餌場となったようです。

 

それも、震災直後は 港から漁船が殆ど流失し

漁業者の姿もまばらになっていましたから、

「海上」に代わって「漁港」が

コクガンたちにとっては人から脅威を受けにくい

「都合のよい」採食場所になっていたことが考えられます。

研究者によれば、その後 港に漁船が戻ってからも、

漁業者が「自分たち」に危害を加えないということが

コクガンたちにも徐々にわかってきたのではないか。

それが、「漁港」が彼らの新しい餌場として

定着してきた要因ではないかと 話しています。

そんな話をお伝えしながらのツアーになりましたが、

「いや~、満足しました」

「たまたま、急に決めた宿泊でしたが

コクガンときれいな景色も見られて

満足感でいっぱいです」という

ありがたい言葉を頂戴しました。

 

「もっとこのツアーを売り込めるといいんじゃないですか?

きっと、喜んでもらえると思いますよ」とも おっしゃっていました。

ありがとうこざいます♪

コクガン観察ツアー、目下モニターツアーとして

土曜日お泊りでご希望のお客様を日曜の10時から ご案内しています。

どうぞ、気軽にフロントでお申込み頂き ご参加ください。

国の天然記念物にして絶滅危惧種のコクガンたちが、

きっと心を癒してくれます。

 

新年

二週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

訳あって 新年のご挨拶が遅くなってしまいました。

改めまして  新年おめでとうございます。

皆さまそれぞれに、佳き年を重ねられたことと存じます。

さて、晩秋に飛来したコクガンたちも

変わりなく 元気に志津川湾で越冬中です。

ただ、少し気になったのが

日中、優に40~50羽は確認出来た「いつもの」浜辺に

20~30羽程度しか見られなかったこと・・・。

減っちゃったぁ~? どこか行っちゃったぁ~?!

いえいえ、それも取り越し苦労で、

年末28日の飛来調査によれば

この志津川湾では319羽が確認され

もうすでに前の冬の同じ時期に比べて100羽ほど多いそうで

ホッとしました。

きっと、更に湾内各地に分散化、それも定着してきている♪

ということなのかも知れません。

 

3.11復興整備の影響で飛来数の減少が懸念されていたことなど

どこ吹く風・・・。

これからさらにその数は増えそうで 楽しみです。

1月12日日曜日には、コクガン観察モニターツアーに

三組7人のお客様に参加いただき、

ご案内することが出来ました。

二組は東京から、もう一組は仙台からのお客様。

当館のワゴン車で海辺に乗り付けて、

陸揚げしてある漁船の陰から目の前数mの距離で

観察することが出来ました。

乱獲や開発が原因で、個体数が減り 地球上に8000羽有りや無しやで

今や国の天然記念物にして絶滅危惧種のコクガン。

そんな貴重な鳥を  こんな間近で見られる所は、

まずほかには無いと思われます。

「彼ら」も、港の人たちが

「自分たち」に危害を加えないのだということを

徐々にわかってきてくれている気配もあり、

いよいよ観察しやすい条件が揃ってきました。

興味がおありの方は、どうぞ 南三陸ホテル観洋へお越しください♪

私どもも喜んでご案内します。

コクガンも 首を長~くして お待ちしておりま~す。

 

追伸: 海のビジターセンター情報によれば、

オジロワシが二羽、

南三陸町と石巻一円に飛来しているとのこと♪

羽繕い

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

亥年も暮れ 終わりを告げようとしていますが、

寒空の中でも相も変わらず元気いっぱいなのが

志津川湾で越冬中のコクガンたち。

彼らは、岸壁に上がれば まず 羽繕いは欠かせません。

羽繕いは、鳥の能力を適正に保つ上で無くてはならないもののようです。

鳥の腰部にある尾脂腺(びしせん)からは脂が分泌されていて、

クチバシでその脂を羽毛に塗ります。

何とも細かい作業を、首をくるくる器用に回しながら

頻繁に行っています。

水鳥は、この羽繕いによって、水中に入っても水を弾くことができ、

飛翔力保温力を維持することができます。

これを毎日、全ての羽毛施しているのですから 実に大変な作業です。

鳥たちは、動物に襲われそうになった時には

飛んで逃げることができますが、

もし 羽にごみや汚れが付いていて直ぐに飛び立つことが出来なかったら

命を失うことになりかねません。

そのため「羽繕い」は、鳥にとっては、

緊急の際に 直ぐ飛び立ち逃げられるようにするための、準備なのです。

上の写真の体勢は、かなり苦しそうにも見えてしまいますが、
とにかく熱心に 休むことなく、常に羽繕いをしています。

クチバシが届かない頭部や首の周りの羽毛は、どうするのかというと

クチバシで足に油脂をつけ、足で油脂を塗るのだそうです。

身の安全を守るためということなのですから、
彼らにしてみれば 当然でありごく自然な作業なのでしょうけれども、
その「作業量」たるや、他人ごとならぬ「鳥ごと」ながら
我が身に置き換えてみると 大変な苦労を感じてしまいます。

 

脂を羽にぬることで、羽毛は整えられ汚れを落とし

更に防水処理もできる、ということ。

上の写真、

胸からお腹のあたりの羽が 水を弾いているのがわかりますね♪

そして 羽繕いが終われば、

今度は 食べる♪ ひたすら食べる♪

アマモを食べる。

鳥たちが常に羽繕いをしているのは、

大切な羽が、いざという時にしっかり機能してくれるように整える

まさに生き残りをかけた行為だったのです。

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本年中も、ブログをご覧いただき ありがとうございました。

酷寒の中でも元気いっぱいのコクガンになぞらえて

来る新年も、皆さまにとって 明るく活気に溢れ

更なる高みに力強く飛翔出来る一年でありますことを

心より祈念いたします

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追伸

12月29日 コクガン観察モニターツアーに福島からお越しの

親子連れ5名さまにご参加いただきました。

この日は 何と!目の前 数mの距離から観察出来たのです。

もちろん、コクガンに脅威を与えないように

車の中から、そして物陰に隠れながらですが

スマホで手軽に撮影できて とても喜んでいらっしゃいました。

車の運転席からもこんな風にスマホ撮影♪ 出来ちゃうんです!

是非コクガンを撮りたいと、望遠レンズを携え

わざわざ福岡からお越しのお客さまにも

観察スポットをご案内申し上げました。

このブログがアップされる頃には

もう撮影を済ませているかも知れません。皆さまも、是非どうぞ。

クリスマスウイークを前に

 

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

志津川湾の日が暮れれば・・・

観洋の幼稚園マリンパルのクリスマスイルミネーションが輝き出します。

クリスマスウィークを目前に、ホテル観洋では

『オトガヨロコブクリスマスコンサート』が開かれました。

「オトガヨロコブコンサート」は

音楽を通して東日本大震災の復興を支援するチャリティプロジェクトです。

「被災地のモノが売れ、被災地にヒトが集まること」がコンセプト。

演奏は、仙台市出身のマリンバ奏者 朝倉 香絵さん。

 

第一回宮城県管打楽器ソロコンテスト最高賞を受賞し

名門桐朋学園大学音楽部演奏学科打楽器専攻を首席で卒業。

プロとして25年の演奏活動を続ける中、

殊に音楽を通した3.11被災地の復興支援に力を注いでいらっしゃいます。

この日は、そり滑りなどのクリスマスソングも披露され、

会場は クリスマスムードいっぱいに~♪

お客さまから 盛大な拍手が送られていました。

マリンバの音色って、暖かな温もりがあっていいですね。

何より、朝倉さんの 魂のこもった演奏は素晴らしい♪

 

次の日22日には女川で、

23日日曜日には石巻 ぎゃらりーく・ら・らで無料コンサート。

24日は、一関の祭畤(まつるべ)温泉「かみくら」でディナーショー。

25日は石巻市で 11時と14時からの2回 珈琲いしかわ本店で、

さらに18時半からは女川のシーパル女川のcafeごはんセボラで

コンサートが予定されています。

朝倉さん! 被災地に和みと安らぎのひと時を ありがとうございます。

ますます、ご活躍を!!!

そして、Merry Christmas ♪♪♪

かわいい奴

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

北寄りの風の吹く日は、随分冷えますねぇ~。

15日には南三陸町でも雪が舞うのを見ました。

 

日曜日、チ チ チッ・・・ 聞き覚えのある小さな声が

Bluebirderの視線を 歩道脇フェンス向こうの藪に誘いました。

す・る・と・・・

こんなのが 居ました。

キ・ク・イ・タ・ダ・キ。 キクイタダキ

 

目の前で立ち止まって観ているBluebirderの姿など気にすることもなく

逃げません。いつもなら さっ と逃げるのに・・・

シャッター チャーンス!!!

ところが、昼休みに寮に戻る途中で カメラの用意などは無し・・・

スラックスの後ろポケットからスマホを取り出し カシャッ カシャッ・・・

 

体長は10㎝ほど。日本で観られる野鳥では最も小さいと言われています。

その上、体色は藪の竹や葉と同系色なものですから、

スマホの液晶画面でもどこに居るのか識別出来ませんでした。

 

こんな藪の中ですと、

画面上の居場所をタップしてピントを合わせてから

シャッターを切るのが定石ですが、

「ちっちゃくて周りと同系色」の姿を 画面で容易には見つけられず、

ただやみくもに撮るしか仕方がありませんでした。

おまけに光が足りない。

結果的に、こんなボンヤリしたキクイタダキをご覧いただくことに・・・

 

全長は前述の通り10cm、体重は5グラムほど。

全体はうすい緑色をしていて、頭のてっぺんは鮮かな黄色。

これが菊の花びらが頭に貼りついているように見えるので、

キクイタダキという和名が付いています。

日本では冬鳥として渡来している他、

北海道や本州の高山帯の針葉樹で繁殖するそうです。

普段は樹々の密生した枝から枝へと絶えずちょこまか動き回っては

大好きなクモや昆虫を食べているので

なかなかうまく撮れない鳥ですが、1.5~2mという間近で見たのは初めて。

野鳥たちは目の前に好物の餌があると、

近くに人が居ても あまり気にしないようです。

このキクイタダキも、

どうやら枝の古い切り口の割れ目にいた虫か何かを食べていて

それでしばらく飛び去らずにいたようなのです。

「かわいい」でしょ?

 

かわいい、と言えば、コクガンも!

遠目では、目が頭の黒い色に埋もれて どこか「怖い」印象ですが、

拡大すると・・・

ほらっ、こ~んなに かわいい顔してます。

やさしい表情してるから、メスかな・・・? というのは勝手な憶測。

 

15日朝7時~の コクガンウォッチングツアーでは、

目の前10mに その姿を捉えられました。

スマホで、こんな風に撮れてしまうくらいの近さでした。

参加されたお客さまは、それはもう大喜び。

ご自分でお持ちになった一眼レフカメラでも、うまく撮れていたようです。

いいお土産が出来ましたね。

ご希望の方には、ご案内いたします♪

フロントで お気軽にお申し付けください。

午前8時過ぎ

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

土曜の朝、午前8時過ぎ。

毎朝羽繕いしている場所に

もうコクガンの姿はありませんでした。下は11/29の様子。

寒さが増すにつれ、早朝の海辺に出かけるのが

億劫になってしまっている今日この頃。

みなさんはいかがお過ごしでしょう?

 

この日は「意を決して」コクガンウォッチングに。

しかし、初動が遅く8時を回っていたので いつもの場所に姿は無く・・・。

このまま帰るのは口惜しいので、「日中も見かける」と噂の

少し先の漁港まで足を延ばしてみました。

すると・・・、居ましたいました♪

二十数羽といったところでしょうか。

プカプカ泳ぎながら漁港に流れ着いた好物のアマモをついばんでいました。

しばらくすると、岸壁に上陸を始めた一団が♪

このチャンスを逃すまいと、デジカメ付きのスコープを準備。

撮影してみました。

スコープのピントをマニュアルで合わせ、

あとはデジカメのオートフォーカスに任せてシャッターを切るのですが、

スコープ側のピント合わせが今一つだったせいか、

微妙に焦点がずれている。

オートフォーカスの特性として、

コントラストの強い線や輪郭のはっきりした対象物に

焦点を合わせに行く傾向があるのですが、

どうも、コクガンは他と比較すると

今一つぼんやりした「対象物」のようで、

他にピントが逃げるようです。

上の写真も、

スッと首を立てているコクガンを中心に撮ろうとしたのですが、

背後のくっきりと色分けされた羽を持つカモのお尻に

ピントが行ってしまい、こんな感じ・・・、奥ピンです。

お恥ずかしい・・・

 

スコープのピント合わせは大体の当りをつけて、あとはデジカメ任せ、

でいいはずなのですが、コクガンの撮影はそうはいかないようです。

しっかりスコープ側でピント合わせをしないと、ダメ。

まあどう言い訳しようと Bluebirderのデジスコ撮影の腕が未熟なわけです。

このあとは、始業の時刻も迫っていて、

シャッターを押せた時間はせいぜい15分程度。だったにも関わらず、

上陸したコクガンたちは、その間にそそくさと 再び水上へ・・・???!!!

何が起こったのかと思いましたが、

この日は、志津川湾の漁の開口日(解禁日)だったのです。

船を出し漁に向かう皆さんの動きで、逃げ出してしまったのです。

 

ピンボケと言い、撮影タイミングといい

良くなかった土曜の8時過ぎ。

次こそは、と意欲を燃やすことになった朝なのでした。

コクガンウォッチング

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirdre*Sです。

 

南三陸町でも、

毎朝、車のフロントガラスが霜ですっかり白くなる時期になりました。

12月。

お変わり ございませんか?

 

さて、絶滅が危惧され国の天然記念物として保護されている コクガン。

観洋近くの海辺で朝 確認出来るだけでも、もう優に100羽を超えています。

 

地元ネイチャーセンターの情報によれば

今シーズンは 10月の終わりに二羽が確認され、

前のシーズンより1週間ほど早い飛来だったようです。

冬鳥コクガンの飛来が少し早め・・・、な上に

12月に入った昨日朝のお客さまのお見送りの際には

「雪虫」がふわふわと舞っているのを見かけましたから、

いよいよ、寒さも本番、といったところでしょうか。

 

そうした中、南三陸ホテル観洋では、

新たな試みとして お客さまを

コクガンウォッチングにご案内するツアーを設けました。

試しに、朝7時から1時間ほど、Blubirderがご案内します。

ちょうど「朝飯前」にコクガンを愛でて自然に浸り・・・、

それから宿に戻って ビュッフェスタイルで お食事♪ っていう

ちょっと贅沢な冬の観洋のイベントです。

まあ 野鳥ファンって、それほど多くはないのかも知れませんが、

それでも、昨日も 外来のお客さまから、

コクガンはどこで見られるのか尋ねられましたし、

ここ最近、宿泊のお客さまから、

事前にお電話で問い合わせをいただいたり、

チェックインの際に尋ねられたりする機会が増えてきました。

前のシーズンも、

去年10月に志津川湾がラムサール条約登録湿地になった

ということもあってか、

やはり何件かお問い合わせ頂いていましたので、

「南三陸町といえばコクガン」、「コクガンと言えば南三陸町」

という印象が少~しずつ定着してきている♪

そんな気がして 嬉しく思います。

復興途上の街の再生のためにも、地元を訪ね、

観光に訪れてくださる交流人口の確保と拡大が大命題ですから、

南三陸町に少しでも興味を持って頂けることは とてもありがたいことです。

志津川湾で越冬する「彼ら」は

豊かな自然によって涵養されている生物多様性の象徴的な存在です。

その象徴を観たいというご要望があれば、

朝だけでなく日中でも、予定さえ空いていれば

コクガンウォッチングにご案内しますので、

興味のおありの方は、お気軽にホテル観洋へお問い合わせください。

お電話 0226-46-2442へどうぞ。

もちろん ご要望を頂くのは チェックインの際でも構いません。

地球上にに7000~8000羽しか居ないと言われる貴重な野鳥なのに

その内200~300羽が

毎年この志津川湾で越冬して行くんですから、凄い!!!でしょ?!!

いえ、凄いんことなんです!!!

 

常にじっとしていなくて快活で ちょっぴりやんちゃ、

全体的に黒いんだけどおしゃれでエレガンスな羽色のコクガンを

是非 観に来てください♪

白い首輪は成鳥の証

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

東日本大震災からの復興復旧の工事が進み

次々と防潮堤、河川の護岸、新しい道路が次々と完成する

南三陸町の湾岸にあって、

この冬も、果たして前の冬と同様に

越冬に来てくれるのだろうかと

正直いかばかりか不安がありました。

ただ、それも取り越し苦労だったようで、

元気な姿を見せてくれたコクガンたち。

カモ目カモ科コクガン属に分類される彼らは、

シベリア東部で繁殖し、朝鮮半島南部、日本、主に東北地方以北、

渤海沿岸部へ南下し 越冬します。

繁殖期のほかは、群れで生活する習性があります。

 

全長は55-66cm、翼を開くと115-125cmですから、

大きさは 大体カルガモくらい。

 

尾羽は短か目で、頭部から頸部、胸部の羽衣は黒。

頸部に白い首輪状の斑紋が入り、斑紋内に黒い斑紋がありますが、

これがちょうど「網目」になって、

おしゃれなアクセサリーをしているように見えます。

幼鳥は頸部の白色斑がないか不明瞭ですから、

くっきりしているのは立派な成鳥の証ということにもなります。

とにかく、全体的に羽衣が黒いことが

和名「コクガン」の由来になっています。

 

 

黄色い侵略者?

6日ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

ちょいと訳あって 一日早い更新です。

 

25日から26日朝にかけての大雨で、

千葉では土砂崩れで犠牲者が出るなど 再び大きな災害が発生しました。

台風19号の被害以来、今回の大雨被害も含め

犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、

被災された皆さまには 心よりお見舞い申し上げます。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

さて、石巻方面から南三陸町へ車を走らせていた とある日の夕方。

フロントガラスから鮮やかな黄色が目に飛び込んできて

思わず 車を近くに停めてしまいました。

北上川の支流の土手に咲き誇る黄色の正体は「セイタカアワダチソウ」。

キク科の植物で、とにかく、その色鮮やかさには目を奪われます。

目に飛び込んで来る色の鮮烈さは、まるで 春の菜の花のよう♪

花の形容は、黄色い樹氷

はたまた枝ぶりのよい黄色い松の木のようです。

ちょっと 強引な例えかな?(失笑)

 

ただ、「この花 あんまり好きじゃない」

そんな声も聞こえてくるのが、この雑草。

 

セイタカアワダチソウは 日本の侵略的外来種ワースト100として、

外来生物法で要注意外来生物指定されていて、日本ではHEEL的存在。

原産は 北アメリカ。 英名 カナディアン ゴールデンロッド

秋の陽に明るく輝く花の色に ふさわしい名前ですね♪

観賞用、また蜜源植物として導入されたのが 1900年頃のことで、

戦後に分布が拡大、今では全国で見られます。

 

温帯を好み、8月から11月にかけて

河川敷、土手、荒地、原野、休耕地、路傍に「はびこり」ます。

地下茎もあって繁殖力が凄まじく強い上に、

周囲の植物の生長を抑制するアレロパシー物質を放出していて、

ススキやヨシなど 木にならない植物を駆逐してしまいます。

 

在来種を「侵略する」外来種という嫌われ者的な印象の強い

セイタカアワダチソウですが

意外なことに ハーブティーになり、

若芽てんぷらなどに。

シュンギクをもっと青臭くしたような味で、

は蜜があるので甘いのだそうな。

 

お茶腎機能・利尿効果デトックス(毒出し)に効能があるそうです。

 

さらに、冬を前に 大量に花粉と蜂蜜を集められる ので

ハチと養蜂家にとっては重要な植物です。

麝香(じゃこう)臭のあるゴールデンロッドハニー

アメリカでは人気の蜂蜜なのだそうです。

 

薬草風呂にも使われるというセイタカアワダチソウ

驚きなのは、サポニンを含んでいて、

乾燥後煮出した成分を風呂に入れると

その名の通り「泡立つ」のだということ。

だから、「アワダチソウ」だったのですね。

キク科の植物特有い~い香りがするそうです。

機会があったら、どんなお風呂になるのか 試してみたいものです。

「侵略者」として嫌われる傾向にあるセイタカアワダチソウは、

実はただの雑草ではなく

有用な薬草としての一面も持った植物だったのですね。

 

そんなセイタカアワダチソウ

最近では、土中環境の変化や ススキの台頭もあって

ひところの侵略力は衰えてきているのだとか・・・。

気が付けば モズのさえずる里の秋、

そんなセイタカアワダチソウとともに

たわわに実ったカキの実もまた青空によく映えてきれいな

秋の夕暮れ時でした。