冬鳥 その2

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

いよいよ寒さが厳しさを増す中、

早いもので もう2月ですね。

 

さて、先週に続いて

冬、南三陸町は観洋近辺で観られる野鳥のご紹介です。

 

こちらは、紅猿子。

えっ? ですよね。ごもっとも。

 

何と読むのかといいますと、「ベニマシコ」。

胸からお腹の辺りの鮮やかなイチゴ色が特徴的なオスです。

 

顔は「猿顔」、

で 紅(ベニ)猿子(マシコ)と呼ばれるようです。

 

実は このベニマシコ、「冬鳥」ではありません。

「漂鳥(ひょうちょう)」です。

漂鳥というのは、日本の中で季節的な移動をする鳥のこと。

標高の高いところや、緯度の高いところで繁殖し、

冬はより暖かい地域に移動し越冬します。

北海道と青森の下北半島で繁殖し、

冬は本州から南の山地の落葉樹林のヤブや

水辺のアシ原でよく見られます。

観洋辺りで 決まって姿を見せるのが、

うっすらと雪の積もった晴天下のヤブの中。

ですから てっきり「冬鳥」と勘違いしていました。

クルクルと体の向きを変えながら

"フィッ!フィッ!"と鳴いて移動しますから、それと直ぐにわかります。

 

雪とイチゴ色のコントラストが鮮やかできれい♪

っていう写真を撮りたいのですが、

なかなかタイミングが合わないのと、

やはり 彼らもレンズが嫌いなようで・・・。

~~~~~~~~

さてさて、

南三陸町の豊かな自然のシンボル的存在の冬鳥 コクガンですが、

先日 南三陸海のビジターセンターに伺ったところ

女性スタッフが

「いつもは100羽前後なのが、

今朝は150羽以上確認出来ました」とのこと。

更に「お隣石巻市の北上川河口付近にも

1群れくらい確認出来た」そうです。

写真は、先月29日のいつもの漁港での様子。

寒さが厳しくなるにつれ、志津川湾のコクガンの数は

まだまだ 増えてきている様子。

大好物のアマモの藻場が 豊かになっている証しでしょうか。

前のシーズンの飛来数300羽以上は

去年暮れにカウントしていますから、

今シーズンは果たして・・・

冬鳥 その2

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

この前は、ツグミをご紹介しました。

今回も冬鳥を紹介したい・・・、と 考えていましたが

どうも このところ 声はすれども姿は観えず、

その上、姿を現した時には カメラを持っていない

ということばかり・・・、なのが この1羽。

ジョウビタキ。こちらは オスです。

胸からお腹にかての橙色と灰白色の頭、

黒い顔が特徴的で ほかの鳥とは区別しやすい1羽。

 

冬鳥として、全国に渡来するので 各地で見かけることの多い鳥です。

積雪の多い土地ではあまり越冬しないようですから

例年より雪の降ることの多い この冬の南三陸町には

少し戸惑ってしまっているかも知れません。

観洋近辺にも出没していますが、

今シーズンはシャッターチャンスを逃してばかり。

ですから、こちらは数年前の写真。

 

一般的に「それほど 警戒心は強くない」と言われている通り、

まるで思わせぶりに

そこに居ることを「主張」する動きを見せたりしますが、

レンズはあまり好きではなさそうで

撮ろうとすると どんどん離れて行ってしまいます。

名前のジョウは「尉」で 銀髪のこと。

ヒタキは「火焚」で、火打石をたたく音に似た音を出すことから

ジョウビタキという名があります。

時々 ぴょこんとお辞儀をして 可愛い鳥です。

こちらは スズメ。

瀬戸内地方に伝わる民話によれば、

ジョウビタキ と スズメは その昔 姉妹だったそうな・・・・・

その内容は、ネットで検索してみて下さいね。

ちょっと悲しい民話を知ると、また少しその姿が印象付けられます。

 

さて、いつもの漁港のコクガンたち。

こうして、

岸辺で過ごす個体が多くなってきたようです。

いよいよ寒く 水も冷たくなってきたからでしょうか。

 

一方、観洋眼下の カモメ。

ツガイと思しき2羽は、

他のカモメが近づくと、揃って激しく鳴きたてて

縄張りを主張しています。

この春の営巣は、このカップルで決まりでしょうか。

冬鳥

雪の消え残る芝地にたたずむ 野鳥が一羽。

ただそれは ほんの一瞬のこと。

まるで、雪解けを待ってました! と言わんばかりに

嬉々として芝の上を動き回っていました。

 

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

通過中の寒冷前線に南風が吹き込んで、一時的に春めいた16日。

うっすら積もっていた雪が解けかけた

戸倉公民館前の芝地で

ツグミが どこか嬉しそうに 餌を獲っていました。

まるで春を待ちわびていたかのように。

 

こちらも 冬鳥。

この時期、全国で見られますので

コクガンほど 珍しいという鳥ではありませんが

羽根が複雑できれいな模様をしています。

北はシベリアの地からやって来る「冬鳥」という点は

コクガンと同じ。

 

ぴょんぴょん跳ね歩くので「鳥馬(ちょうま)」という異名も。

この日も その通り、周りを警戒しつつ

可愛らしく ちょこまかとホッピングしながら餌を探していました。

 

さて、同じ日のコクガンですが、

いつもの漁港に出かけると、!!! 岸辺に 数多く寄ってきていました。

おそらく この日の この時間帯は、

漁師さんたちが車で出入りする以外

港に近付く人が殆ど無く、

安心し切って 岸辺で餌を食べていたのでしょう。

それも この時食べていたのは、大好物のアマモではなくて

どうやら アオサ。

首を水中に突っ込んで 逆立ち状態でアオサを採ります。

二羽が同時に、さながらシンクロナイズドスイミング♪

このアオサ、マグネシウムや食物繊維といった栄養素のほか

カロテノイドや葉酸といったビタミン成分がたっぷり含まれていて

旨味も強い。

私たちにとっても とても贅沢で栄養豊富な食材でもある海藻を

こぞってむさぼるように食べていました。

なるほど、道理で健康そのもの、元気なわけです。

 

 

 

 

グレーの斑は

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

12月のブログで 春の繁殖に向けて

「もう 営巣の陣取りを始めているの ?」

とご紹介させていただいていた 観洋眼下のカモメたち。

ロングショットでは 雪に同化して居場所が判りづらいのですが、

どうやら、営巣場所を「獲得」したと思しきツガイが

もう その岩場に常駐している模様。

ご覧のように、木枯らし吹くの岩場で、

じっと二羽でうずくまって休んでいます。

こちらは1月9日午前10時過ぎの様子。

 

目覚めれば・・・

この通りの 大欠伸。

 

外敵に襲われる心配も まず無いようで

実にのんびり 寛いでいる様子です。

 

その12月のブログで、首の周りにある「グレーの斑」について、

「まだ成鳥になり切っていない若い個体の印では」と

ご紹介していましたが、

どうやら これ、「冬毛」のようなのです。

失礼いたしました。

春に向けて、この首回りも「真っ白」になっていくのでしょう。

いずれにしても、今春の産卵と孵化が楽しみです。

 

さて、志津川湾で越冬中のコクガンたち。

この9日には、船揚げ場のスロープにも その姿を確認できました。

オオバンも一緒の 3ショット。

 

研究者によれば、ここに上がるのは

まだ若い個体か、比較的体の弱い個体だということです。

実際、翼には

「白い線」状に見える部分が残っていて

二羽ともまだ「若鳥」ようです。

 

晴天の下、相変わらず牧歌的で平和な情景を湛える 小さな港、

ではありましたが、この日 ある小さな変化に気が付きました。

 

震災後、この港の環境に慣れ、

人間から何も危害を加えられないことを学習したコクガンたちは、

漁船が出たり入ったりしようと

漁師さんたちが岸壁で作業をしていようと

逃げることも無く、悠々と泳でいた コクガンたち。

暫く眺めていたところ、漁船が港に入って来る際、

近づくエンジン音に 緊張感を高めていたかと思うと

近辺に居たコクガンたちが 一斉に飛び立ってしまったのです。

 

下の写真が、去年12月24日の様子。

漁船が港を出て行きますが、

そのすぐ脇を 飛び立ちもせず平然と泳いでいたのが判ります。

ですから、

この日は一体 どうしてしまったのだろうと 驚いた次第。

コクガンたちは、またその場に戻っては来るのですが、

つい2週間ほど前とは違う行動の変化が

少々気がかりな、いつもの漁港です。

何か 不都合なことがあったものなのかどうか、果たして。

単なる気まぐれであれば いいのですが。

 

ファデエフスキイ島

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

えっ「ファデエフスキイ島」?

ですよねぇ(笑)。

東シベリアにある島で、

今月17日に初めて公表された

コクガンが渡りで夏場に過ごす島なのです。

東アジアを中心にその数が9000羽にも満たないため

これまで研究が進まず、

繁殖地の究明さえも課題になっていたコクガン。

今回、GPSによる調査結果が発表され、

謎に満ちていたその生態が いくつか解明されました。

 

コクガンの追跡調査が発表されたのは、今月17日

南三陸町の戸倉公民館2階にあるネイチャーセンターでのこと。

宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎研究室長が公表しました。

調査は 今年1月に4羽の幼鳥にGPS発信装置を付けて追跡したもの。

下の図が 今回判明したコクガンの渡りの経路です。

東アジアに棲息するコクガンの渡りの実態が明らかになるのは

国内でも初めてのこと。

幼鳥は、ここファデエフスキイ島で

換羽、つまり羽が抜けかわったそうです。

 

繁殖地のひとつ レナデルタの様子も 紹介されました。

レナデルタは 下の地図で赤い印のところ。

コクガンたちにとって

ファデエフスキー島からはひとっ飛びの場所のようですが、

今回GPS発信機を付けた個体は幼鳥でしたから

繁殖には向かわず ここには寄っていません。

 

他に、コクガンたちの居場所は

好物のアマモの藻場とほぼ一致していること。

志津川湾での越冬では、 ひとつの群れの行動半径は

せいぜい12~30㎢で 意外と狭いことも紹介されました。

そうそう、あのオオバンからアマモを奪う行動ですが、

「労働寄生」って言うんですって。 初めて知りました。

それでも、オオバンがコクガンの傍を離れないのは、

他のカモからの理不尽な攻撃を避けられるからなのだとか・・・。

こちら ↑ ↓ は、19日の津宮漁港。

アマモを求めて相も変わらず 快活に泳ぎ回る コクガンたち。

また少し、親しみが増しました。

志津川湾

 

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

水辺に遊ぶ、かわいいヤツ。

こちらはキアシシギ。

志津川湾の水辺では定番の野鳥です。

名前の由来は、単純に「黄色い脚」。

レンズを向けると、しっかりこちらを見ていて

一瞬「逃げ腰」になってみたり。

 

それでもって、口笛のような鳴き声は

"ピュイピュイ"と カワイらしいのです。

そんなキアシシギも水辺で遊ぶ、志津川湾。

水の透明度は高く、

この季節は、沖縄の海並みにきれいです。

 

それは きれいな水を運んでくる「海流」と

湾の海底に鬱蒼(うっそう)と茂る

「カイソウ(海藻・海草)の森」のお陰。

志津川湾では

北方系のマコンブと南方系のアラメが混生していて

実に210種類以上のカイソウ類が

水を浄化してくれています。

 

中でも、とりたてて窒素酸化物を

よく吸収・吸着してくれているのがアマモ。

そのアマモが大好物なのがコクガン、という構図です。

 

実は、そんなコクガンと同じ水鳥の仲間 ヒドリガモも

アマモが大好き。

時々、コクガンから「横取り」されてるのを見かけますが、

オオバンほどの頻度では無さそうです。

 

そうした生き物たちの多様性が保たれている志津川湾は

ラムサール条約登録湿地。

豊かな自然が実にバランスよく保たれていて、

550種類以上の動物を「養って」います。

絶滅危惧種のコクガンもそのひとつ。

 

ラムサール条約は

「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」

というのが正式名称。

ここで越冬するコクガンの存在も大切な要素になっていて、

彼らは、志津川湾の自然の豊かさの象徴と言っていいでしょう。

 

そんな Bluebirderのウンチクなど どこ吹く風・・・

コクガンたちは、今日も 活発に泳ぎ回りながら

アマモを探し当てては 貪欲に食べ続けています。

~~~~~~~~~~

P.S.

南三陸海のビジターセンター

によれば、

11日現在 既にオオワシの目撃情報が入ってきているそうです。

こちらはセンターの剥製。

前の冬も12月10日に目撃されているのでカレンダー通り。

今週は寒波襲来の予報、

冬鳥たちもいよいよ飛来ラッシュに入りそうです。

雪虫

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一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

これ、なんだかわかります?

はい、雪虫です。(タイトルの通り 笑)

観洋近くの雑木林、短く刈られた草むらの上で

まるで粉雪のようにフワフワと宙を舞う

いくつもの未確認飛翔「物体」を発見。

上の写真では わかりづらいのですが。

よ~く見てみると・・・

この季節、降雪の前に姿を見せる「雪虫」なのでありました。

 

やっとのことで、手にとまってくれた一匹。

本名「トドノネオオワタムシ」。

どうも男っぽい印象の名前ですが、

フワフワ飛んでいるのはすべて♀メス。

産卵のために モクセイ科の樹に移動中なのだそうです。

 

綿のように白いものは、

水化物を主成分とする蝋物質が糸状に変化した分泌物なのだそうな。

 

それにしても、飛び方も姿も儚い印象で、

そのままが 粉雪のような存在。

産卵のあとは、すぐ死んでしまうというのですから、

いたわりこそすれ とても手荒な扱いはできません。

 

雪虫が飛翔すると

近いうちに初雪が降ると言われていますが、果たして・・・。

 

さてさて、そんな季節の中で、志津川湾のコクガンたちは

着々と飛来数を増やしていて、

3日の時点で 150羽を超えました。(南三陸海のビジターセンタ調べ)

いつもの港にも その数30~40羽。

ご覧のように、船揚げ場に上がって来ています。

いよいよ本格的に コクガンの季節 到来というところでしょうか。

 

ところで、今月17日木曜日、午後7時から、

南三陸町戸倉公民館2階のネイチャーセンターで、

『GPS追跡でわかった南三陸のコクガンの暮らし』が紹介されます。

国の天然記念物にして絶滅危惧種のコクガンの生態は、実は謎だらけ。

その個体数の少なさから、生態研究が進んでいないのが現状です。

今回、GPSによる追跡でわかった

新たな生態が明かされるというのですから、楽しみですね♪

入場は無料。

 

毎日 コクガンの観察を続けているビジターセンターのショップには

こうしたグッズも・・・。

コクガンの「仕草」手ぬぐい~!!

コクガンの「仕草」を描いたイラストは実に秀逸♪

観察していると、確かに こんなカワイイ行動をしているのです。

オオバンから 大好物のアマモを奪う「仕草(?)」も!!

この手ぬぐい、

南三陸町でのコクガン観察記念に相応しい一品かと思われます♪

 

この5日には、鬼殺隊ならぬ「コクガン撮影隊」第二陣の皆さまが

大きな望遠レンズとカメラを抱えて観洋にお泊りになられました。

聞けば、チェックイン前に

既に泊浜(とまりはま)で コクガンを撮って来られたそうな。

ほかにも こんな風に野鳥ファンが集う 冬の南三陸町。

防潮堤は さながら自然観察用の展望台と言ったところ。

コクガン飛来の聖地として、

志津川湾は、今 盛り上がりを見せています。

 

P.S.

11月30日のビーバームーン~

半影月食の直前は、こんなにきれいな黄金色♪を 湛えていました。

「月」だけに、

つきと幸運を呼び込んでくれそうな「金の月」を皆さまにも♪

 

ちなみに、半影月食の方は こんな感じ ↓

月の左上辺りに陰りが出来ました。

観洋5階ベランダからの撮影でした。

では また。

100羽

 

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

この写真を撮った日、25日には

もう すでに100羽以上の飛来が確認されていました。

先週は、月曜日から寒気の影響を受けて寒さが戻っていましたから、

コクガンたちも どうやらその寒さに乗じて

飛来数が急に増えたようです。

 

それも、羽数を確認したのが、

なんと驚いたことに たまたまコクガンを観に訪れた

都市鳥研究家の唐沢孝一さんだったとのこと。

この方  !!

束の間、海のビジターセンターにいらっしゃるところに

居合わせたのですが、あいにくスマホ不携帯だったもので

記念撮影出来ず仕舞い。野鳥の写真も撮っていらっしゃる

著名な方でしたのに、残念なことをしてしまいました。

 

ところで、こちらは 前のシーズンのコクガンの姿ですが、

この冬は、なぜかこんな風に

船揚げ場のスロープに上がってきてくれません。

単に この場を訪れるタイミングが悪いせいなのか、

はたまた Bluebirderの「撮るぞ」オーラが強過ぎるせいなのか、

観洋のワゴン車でこの漁港に乗り付けると、

煙たがるように 岸壁から離れて行ってしまいます。

船揚げ場には、

人が傍にいないのを見計らって上がって来ているようではあります。

日付け変わって、南三陸海のビジターセンターでは

朝方、50数羽を確認していた28日のこと、

いつもの小さな港では、肉眼で 12羽ほど確認出来ました。

 

車を乗りつけると・・・

やっぱり 離れて行ってしまうコクガン。

離れて行ったのが こちら、

キリリとして なかなかいい面構えの一羽 ↓。

いよっ 男前! (メスかも)

一方こちらは、首にとても大なネット模様を持つ一羽。

優雅な雰囲気と優しそうな表情からすると、メスかも知れません。

 

それにしても まず食べていないことがない コクガンたち。

 

大好きなアマモを見つけては・・・

 

パクリ!

 

宮城県南三陸町の志津川湾、

只今

食欲旺盛なコクガンたちが 元気に越冬中です。

 

P.S.

この日は、千葉県我孫子市から

野鳥ファンと思しき男性が

是非コクガンを観たいと

ビジターセンターにお見えでしたので、

こちらの港まで案内差し上げました。

いい写真、撮れたかな?

 

53羽♪

 

「今朝、53羽確認しましたよ!」

その言葉に、思わず心躍りました。

この20日、南三陸海のビジターセンターでのことです。

 

いよいよ、コクガン飛来もピーク目前のようです。

~~~~~~~

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

13日朝、対岸の港には

気嵐(けあらし)が立ち上りました。

白い蒸気に朝日が絡んで 淡い朱鷺色がきれいです。

 

19日夜には、

爪痕のように 細い月。

手持ちのスマホ撮影でしたから こんな写真ですみませんが

木星とランデブーする細い月は、素敵な天体ショーでした。

 

震災復興祈念公園では  

こんな幻想的な景色も 演出してくれたのがこの日の月でした。

 

気嵐は 冬の季語。

細い月は その形に 冬の寒さを印象付けられます。

 

こうして徐々に冬の色が濃くなる絶景の志津川湾で、

まさにピークを迎えようとしているのが

コクガンの飛来です。

20日は朝から雨でしたが、

コクガンの様子を観に出かけたタイミングには

束の間でしたが 雨雲が切れ、

青空が明るい光を届けてくれました。

相変わらず、オオバンを追い立ててはアマモを奪う コクガン。

それでも 傍に居るのが オオバンです。

海のビジターセンターによれば、

コクガンは家族単位で行動するらしく

この港内では、どうやらツガイで連れだって行動しているようです。

港では、4ツガイを確認しましたが、

まだ、この程度の数しか来ていないのかと

正直、物足りなさを感じていました。

観洋に戻る途中 53羽のコクガン情報を耳にしたのが、

海のビジターセンターでした。

 

「今朝 53羽を確認」の言葉に

思わず「それは凄い!」と叫んでしまっていました。

そんなBluebirderに、スタッフの方は 親切にも

二階の展望デッキにスコープを持ち出して

のぞかせてくれました。

 

すると・・・、居るいる! 居ますいます!!

小さくてわかりづらいのですが、

ちょうど、センターから 観洋を望む 海域にある小さな島、

その島の手前、養殖用の浮きのある辺りに

点々と散らばり 泳ぎ回るコクガンたちの姿が観えました。

ほら、この通り♪ とは言っても

やっぱり確認しにくい大きさ・・・

 

先週は小春日和が続いて、

一時的に 気温が上がった日もありましたが、

今週は 再び 気温が平年並みに戻るとのこと。

寒さに乗じて、恐らくコクガンの飛来にも

拍車がかかることでしょう。

~~~~~~~

ところでこの日は、

今季初めて コクガンが岸壁に近付いてきてくれました。

まだ、比較的若い個体なのでしょうか。

野生の動物たちは、

若い内は どうやら「好奇心」の方が「警戒心」を上回るようで、

そこに居る人間が何をしているのかを

知りたげに 近づいて来るようです。

このコクガンも きっとそんなところ・・・

 

いろんな表情を見せてくれました。

 

共に

 

僕、オオバンです。

ミヤギテレビの夕方の情報ワイド番組ではありません。

野鳥の オオバンです。

 

分類で言うと、クイナ科の鳥です。

写真 ↓ 右側に居るのが僕。

あの、沖縄の貴重な野鳥ヤンバルクイナの仲間です。

僕たちは、脚が体の後ろの方にあって、潜水が得意♪

こんな風に、

ブン!と。

跳ね上がる水しぶきも

ほんのわずか!

水泳競技の飛び込み競技なら、満点!! ってとこかな?

僕らは こうして海に潜っては 大好きな海草のアマモを食べながら

今 この南三陸町の志津川湾で越冬中です。

 

潜水しては、アマモをゲット!  

隣で食べてるのが コクガンの兄貴。

 

そう!  アマモが好きなのは 僕たちだけじゃあ無いのです。

国の天然記念物で絶滅危惧種の

コクガンたちにとっても アマモが 大の好物なのです。

 

兄貴たちは、僕らのように潜水が得意じゃあ ありません。

なので 彼らは、港に漂着し

水面に浮いているアマモ目当てに

泳ぎ回って 見つけては食べています。

水中のものは、

せいぜい首を突っ込んで届く範囲までのものしか

食べられません。

 

大の食いしん坊なので、勢い取れるアマモが無くなると、

今度は 僕たちオオバンをマーク!!

狙いは、何と 僕らが潜水して

やっとのことで取ってきたアマモ。

それを 横取りするのです。

酷いでしょ?  酷いのです。

これには ホトホト困ったものですが、

何せ 体が大きいしから 抵抗したところで・・・。

なので、ほとんど泣き寝入り・・・。

とは言うものの、これが今に始まった訳では無し、

僕らは彼らから 逃げたりしません。

兄貴たちの横取りは 織り込み済み。

アマモを奪われたって、また取ればいい訳だし、

餌が獲れずにいる コクガンの兄貴たちの

助けになっているんだなって考えたらいい。

 

そうそう 人間の世界でも

「情けは他人の為ならず」って 言うんじゃあ

ありませんでしたっけ?  (by オオバン)

 

そんな、オオバンたちのつぶやきが聞こえて来そうな、

小春日和の小さな港。

人間よりずっと身体の小さな野鳥たちが

立派に共生出来ている、

そんな様子のうかがえる  ごくごく平和な志津川湾です。

 

一週間ぶりのご無沙汰、Bluebirder*Sでした。

(オオバンのつぶやきは あくまでBlubirderの私的な感覚です)

 

追伸

未だに2羽だけかと思いきや、

戸倉地区の入り江に 居ました居ました♪ 20羽くらい。

こちらは、13日の様子。

朝夕の寒さが募るとともに、

コクガンたちの数も、徐々に増えてきているようです。