見出しは、鹿折(ししおり)金山のモンスターゴールド。
こちらは、鹿折金山と並んで 大量の金を産出した、
大谷鉱山。
大リーグで超人的な大活躍を続ける大谷翔平選手の”おおたに”、
ではありません。
”お・お・や こうざん”。 鹿折金山と同じく、気仙沼市にあります。
もっとも昭和13年には、年間1トンの金を産出したというのですから、
読みと時代は違っても、大谷翔平選手クラスの金鉱山でした。
Bluebirder チャリの旅、
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今回は、その 大谷(おおや)鉱山を訪ねました。
観洋を出て、休憩無しならば 2時間ちょっとの道のりですが、
なにせ この日は、10m近い北寄りの強風を正面から受けながら。
さらに、時々 少々小雨も浴びながら・・・、休み休み、時間 かかりました。
この日が「体育の日」だった頃は
「晴れ」の特異日でしたから、晴天を期待していた分、いやはや 参りましたww。
1時間、のはずが、1時間半くらい、いやそれ以上かかってしまいました。
とにかく、ようやく気仙沼エリアへ。
国道45号、JR BRT小金沢駅を左へ。
あと、2キロちょっと( ^ω^)・・・
登りは、軽快に走れる程度の坂で、ルンルンと気分よく登り始めたのでした。
それが・・・、覚悟はしていましたが、坂は徐々にきつくなり、
「ああ、またかぁ」と心の中でついぼやいてしまって、間もなくでした。
「あれ?もぅ?」というくらい唐突に 眼の前に”資料館”が現れたのです。
そもそも、今回、チャリで大谷鉱山を目指したのは、
観洋のある南三陸町を含む、南部北上帯:三陸南部の地が、
日本列島の中では、唯一、
2億5千万年前以上前からこの地球上に陸地として存在したエリアであること。
気仙沼の巨釜半造が、2億8000万年前のペルム紀から
1億4500万年前の中生代白亜紀に
隕石が落下して出来た奇岩群だということ。
町内入谷の巨石群が白亜紀に
地中で冷えて固まった花崗岩が、地殻変動で地上に現れたものだということ。
更に、巨石が転がっている入谷地区が砂金の産地で、
金は”マグマの贈り物”だということを知り、
実にダイナミックな地球活動のあった痕跡と、
そうした活動でもたらされた美しい景観をはじめ
様々な形の”資源”に興味が湧き、
そそられてしまったからなのです。
「大谷鉱山跡」は、
「日本遺産」に登録されている”みちのくGOLD浪漫”を担う文化財のひとつ。
年間1トンの金を産出した昭和13年には、1303人の従業員を抱え、
ここには1000人を超える人たちが生活するまちが存在しました。
数多の社宅が立ち並び、診療所や何でも揃えたお店に保育所・理髪所もあり、
映画も見られたほか、テニスコートやグランドも。
お酒を楽しめるクラブもありましたから、これはもう、独立したようなまちだった、
と言っていいでしょう。
ただ、資料館には、金を採掘した機材など共に、写真も展示されていますが、
いま一つ採掘や精錬のイメージが湧かなかったというのが、本音です。
機材もさることながら、金がどういう工程で取り出されたのかが
直感的に分かる展示や、地元にもたらされた経済効果など
地元民の生活にかかわる事象も具体的にわかれば、
産金の歴史を もっと親しみのあるものとして受け止められるんじゃないか。
折角の産金の歴史という”資源”が、ちょっと生かし切れていないのかも・・・、と、
思った次第です。
そうそう、もうひとつ。なぜここに金鉱脈が?ということもわかるようだと
きっと”少年”的好奇心はさらに高ぶるんじゃないかな?
そんなタイミングで、この11日、観洋で開かれたのが、
第1回みちのくGOLD浪漫”金ばな”トークセッション。
地元エリアに眠る 忘れ去られようとしている
日本屈指の産金文化の記憶を蘇らせ、
文化財を観光資源にしていこうじゃないか、というのが狙いです。
パネリストは、宮城教育大学歴史社会学者の山内明美さん。
クラブツーリズム顧問で日本遺産普及協会幹事の黒田尚嗣さん。
涌谷町教育委員会の学芸員、福山宗志さん。
みちのくGOLD浪漫事務局にして
涌谷町地域おこし協力隊の樋下稔生さん。
郷土文化史家の 後藤一磨さんをコーディネーターに、
わたしにとってゴールドってなに?をテーマに
セッションは繰り広げられました。
興味深かったのは、松尾芭蕉が 自分の生き方として「不易流行」を見出し、
本当に大切なものは「たなごころ」にあること、
自分の内に宝はあったのだということに気付いた。
心の中の信念を大切に、大事にするということを、
芭蕉は、奥の細道を旅することで学び、本質的な宝を見つけた、ということ。
金は、富のみならず、奈良東大寺の大仏に鍍金されることで、
祈りの対象にもなったことから
みちのくGOLD浪漫の文化財を訪ね、旅することで、
自分にとっての”金”、即ち一番大切なものを見つけられるのではないか、
GOLDは浪漫を内包している、というお話には、
深くうなずいてしまいました。
産金の歴史を私たちの資源に!!
今後、第2回、3回の”金ばな”セッションが楽しみです。
さて、今度のスターパーティは 18日。
果たして、今話題の 紫金山・アトラス彗星が観られるか?!!
こちらは、スタパコーディネーター
東北未来推進機構の小林 裕さんが、この13日に撮影。
Excellent♪
ご期待ください!!