一週間ぶりのご無沙汰です、Bluebirder*Sです。
一雨ごとに、秋深まる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
さて、南三陸町の絶景を誇る志津川湾が、
水鳥の生息地として国際的に重要な湿地の保全を目指す
「ラムサール条約」に正式に登録されました。
湾内は南限北限の藻類が混生している貴重な藻場(もば)です。
藻類というのは若布や昆布といった海藻のたぐいで、
中でもアマモは、国の天然記念物で絶滅危惧種の「コクガン」の大好物。
毎年、100羽から200羽やって来て、湾内で越冬します。
地球上に既に8000羽程度しか生息していないとも言われるコクガンを養う
豊かな自然が志津川湾には存在する、その「証」が ラムサール条約登録。
これから、観光面でも大いにアピール出来るので、楽しみです。
さてさて、こちらは、向こうに観洋を望む 八幡川河口。
生物の多様性を誇る志津川湾ですが、
この19日のこと、団体のお客さまを町内案内していたところ
志津川地区を流れる 八幡川の水面に、三角のヒレ!!
鮫?! まるで、往年のパニック映画「ジョーズ」のワンシーン・・・
まさか 志津川湾が 鮫が現れる危険な海だったとは・・・
いい~え、こちらは 生まれた川に戻ってきた 鮭の尾びれです。
こちらは 背ビレも一緒に見えています。
ですから、志津川湾は、「危険な海」ではなく、
鮭が帰ってくる 水の環境に優れた「豊かな海」なのです。
鮭の遡上は、南三陸町の秋の風物詩のひとつ。
大海を回遊してきた鮭は、川を遡上して産卵に向かうために、
海水と淡水の混じり合う汽水域で淡水に体を慣らしているところなのだと思われます。
時々、その「巨体」は飛び跳ねて水しぶきを上げ、
水面に大きな波紋を作っています。
川は、かねてから防潮堤工事と併せて コンクリート二面張りの工事が進められ、
鮭の遡上に悪い影響が及ばないか心配していましたが、
鮭は ちゃ~んと忘れず 生まれた川に帰ってきました。
ただ、去年の鮭漁は不漁だったと聞いています。
果たして この秋はどうなのでしょう。
鮭は川で生まれ、大海へ、そして再び生まれた川に帰って来ます。
この鮭の行動は、「母川回帰」と 呼ばれます。
シロザケの場合、河川で卵から孵化した稚魚は、春、雪解け水とともに海へ。
オホーツク海→大西洋西部→ベーリング海→アラスカ湾→ベーリング海→アラスカ湾
4年後、成熟した鮭は、ベーリング海から千島列島沿いに南下、
9月~12月頃、それぞれ日本の生まれ故郷の河川へと帰ります。
外洋で4年という長旅を終え、産卵のために故郷の河川を遡上する鮭。
地球規模で広大な外洋を巡った鮭が なぜ母川回帰することができるのでしょう。
これには諸説あって、生まれた川のにおいを覚えているという説が有力ですが、
それだけでは叶わないので、他の方法も併用していると考えられています。
はっきりしたことはわからず、未だに多くの謎に包まれています。
川から海へ・・・そして再び生まれ故郷の川へ・・・
鮭たちの長い旅は、まさに壮大なロマンと言えそうです。
そんな話に、鮭たちは ささやいているようです。
サーモンありなん、さもありなん・・・ってね。鮭だけに、 笑