美しき黒羽根にかわいい顔

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

一大ブームを巻き起こした 鬼滅の刃。

きっと、私たち日本人の心に共感を呼ぶ「言葉」の数々が、

文字通り 魂を揺り動かしたのではないのか、

などと勝手に考察している にわかファンではあります。

 

柱はじめ鬼殺隊隊員間の伝達役を務めているのが

言葉を操る 鎹烏(かすがいがらす)たち。

ストーリーの中でも

それぞれに個性の強い

愉快なキャラクターとして登場してきますが、

カラスと言うと、どうも「不吉」だとか

ゴミ袋を食い散らかす「害鳥」だとか、

マイナスなイメージが先行しがちな存在です。

実際のところ、目がどこにあるのかわからない黒一色の姿には、

いかばかりか "こわい" 印象も覚えたりしますが、

よくよく接近して観察してみれば、こんな顔。

つぶらな瞳で こんなに かわいい顔をしているのです。

首をかしげたくらいにして

子供のように どこか愛くるしさも感じさせます。

 

それに、何より羽の色♪ 見て下さい。艶っつや!!

紫に あるいは青や緑っぽく 光って見える部分があるのです。

実にきれい♪

 

こうした艶のある黒色のことを「濡羽色(ぬればいろ)」、

あるいは「濡烏(ぬれがらす)」というそうで、

黒く艶やかな女性の髪の毛を形容表現する

万葉集の時代から用いられてきた言葉なのだとか。

 

そういえば、

女性の美しい黒髪を「"緑"の髪」とも 言いましたものねぇ。

こうした輝きを表現していたものだったのですね

 

ご紹介している写真の個体は、

鬼滅の刃に登場する鎹烏(かすがいがらす)と同じと思しき

"ハシボソガラス"。

ご存知の通り、カラスはとても賢い鳥で、

木の実を路面に置いて 通行する車に踏ませ

硬い殻を割って食べるというのも 広く認知されている行動ですが、

一説によれば、野鳥の中でも体の大きさの割にとりわけ大きな脳には、

小学生低学年程度の知能が詰まっているとのこと。

今は昔の話になりますが、幼いころ、

近所のお兄さんがカラスを飼って

言葉を覚えさせていたのを思い出しました。

カ・・カラスが・・・しゃ・・喋る?????

当時、幼心にも それはそれは かなり驚いたのを覚えています。

実は 言葉を覚えるのも「保身」のため

言葉を覚えれば→ 〇飼い主がよろこび→ ◎餌がもらえる

そうした感覚が保身本能として働いて 言葉を覚えるのだそうです。

 

カラスは 決して不吉だとか怖いという鳥などではなく、

輝く羽を持った賢い鳥で、

その「顔」も とても"かわいい"。

 

どこにでもいる鳥でも、細かく観察して調べてみると

思わぬ発見があり 面白いもの♪

これも、野鳥観察のだいご味です。

 

追伸:

こちらも黒い鳥ですが、

いつもの港のコクガンたち まだ居ます。

28日に 語り部バスでお客様をご案内した際、

午前11時前のことですが 数羽を確認できました。

 

まだ いますか?

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

最近、「まだ いますか?」

これからご宿泊になるお客様や お泊りのお客様から

そうしたお問い合わせを いただいています。

 

ええ、おります。

 

一体 何のお話かといいますと 「コクガン」のこと、なのです。

徐々に気温も上がり 3月も下旬ともなれば、

きっと、志津川湾で越冬していたコクガンも

既に北に向かっていなくなっているかも知れないと

思っていらっしゃってのことでしょう。

 

確かに、既に北帰行が始まっている時期ですから

湾内で確認できる数は、少なくなってきてはいます。

それでも、南三陸海ビジターセンターによれば

まだ ピーク時の3分の1くらいはいるそうです。

ちなみに、この冬のピークは 400羽以上でした。

いつもの港で、20日午前11時前に確認出来たのは

7羽程度と 実に寂しい限り。上の写真には、オオバンも混じっています。

センターによれば

どうやら いつも午前10時頃になると、

いくつかの群れが この場から飛び立ち

他のエリアへ向かってしまうのだとか。

 

ということは 朝の比較的早い時間帯であれば

まだ もう少しまとまった数のコクガンたちの姿が

観られそうです。
もっとも 一番ののんびり屋さんは、大型連休前までいますから

是非 観に来てください。

よろしければ、Bluebirderがご案内いたします。

コロナ禍でなかなか観に来れなかったという方も

どうか ご安心下さい。


こちら志津川湾では、まだ今しばらくの間

コクガンのシャッターチャンスは 続きそうです。

低気圧&冬鳥その7

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

それにしても、凄まじい低気圧でした。

この13日に三陸沿岸を発達しながら北上した

低気圧の猛威たるや!

南三陸町内にも 激しい雨と風をもたらしました。

それはもう まるで台風並み。

 

そのせいで、震災遺構の高野会館の周囲はすっかり水浸しに。

14日の10時15分便の語り部バスは、

お客様を会館内にご案内出来なくなってしまい

申し訳ござませんでした。

 

そんな語り部バスのご案内の途中、

黒崎海岸では波乗りを楽しむサーファーの姿を久しぶりに目にしました。

語り部バスのご案内の最中でしたから、撮影は出来ませんでしたが、

こちらは、以前ご紹介したシーン。

お客様にも、普段は穏やかな志津川湾にも

実は 隠れたサーフポイント

「黒崎スポット」があることもご紹介出来ました。

かっこいいですよねぇ。

しばらく眺めていたくなってしまいます。

 

さて、13日には、徐々に強くなる雨脚の中

いつもの漁港のコクガンは 一体どうしているものかと

様子を観に行ってきました。

まだ、居ます。

この小さな港が また 彼らにとって 心地よい居場所のようで、

外海が荒れていても、

このように

突堤の内側では、穏やかな水面で過ごすことが出来ます。

 

だんだん強くなる雨になど めげる様子も無く、

自慢の羽で きれいに弾いた雨粒を背中に載せ

アマモを求めて 泳ぎ回っていました。

相も変わらず、元気いっぱいです。

既に 北帰行が始まったとはいえ、

南三陸海のビジターセンターによれば、

まだ近辺で90羽ほどが確認できているとのこと。

 

14日朝には、お泊り頂いたお客様から、

「まだコクガンは居るの」というお問い合わせを頂きましたが

大丈夫です。まだ 居ます。

た~だ、今回ご紹介している写真は、どれもブレブレ・・・。

雨雲の下、シャッタースピードが稼げないもので、この始末。

ご容赦くださいませ。

~~~~~~~

おまけ です。

「冬鳥その7」ということになりますが、

14日の午後3時半ごろ、休憩を終えて観洋に戻る途中

歩道から ぱっ!と飛び立つ 黄色い小鳥!!!

 

すわ! キビタキ?!!!

と、思いました。

が、まだ 夏鳥がやって来るには早すぎる。

なぜかまた、小生の進行方向に帰って来て、

しきりに植物の種子か何かをついばんている様子・・・

とっさに スマホのカメラを2倍ズームにして、撮ってみたものの

 

ご覧のように・・・光量も足りずブレブレで 

残念至極な ぼんやり写真に。 この「子」も 困り顔・・・。

 

図鑑で確認したところ、

その正体は 越冬中の マヒワの♂ でした。

どうやら「繁殖期以外は 群れで生活する」らしいのですが

彼は なぜか"単独"。

 

冷たい雨にすっかり濡れながら、

北へ旅立つ準備でしょうか、

一生懸命 餌をついばんで

ちっちゃな体に エネルギーを充電しているようでした。

 

 

北帰行を始めた コクガンたち

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

三寒四温を繰り返して 春になるのですが、

寒暖の差が大きいので

体調管理にも気を配らなくてはならない今日この頃、

いかがお過ごしでしょう。

 

既に、一部の集団は 北帰行を始めた コクガンたち。

ただ、いつもの漁港のコクガンたちは

同じ群れと思しき一群が まだ滞在している模様です。

それにしても 冬の一番寒い時期を振り返ってみても、

これほどまでに活気に満ち溢れた野鳥は

コクガンを置いて他にないくらいに元気。

 

日中は とにかくほとんどジッとしていない。

スイスイと泳ぎ回って 大好物のアマモを探し当てては

常に食べ続けています。

岸に上がって休んでいる個体も わずか。

あの元気は、一体どこから湧き出してくるのでしょう?

それだけ 好物のアマモは 栄養価が高く、

コクガンを元気にしてくれているのかも知れません。

そんな快活な様子を見ていると

とても地球上に9000羽も居ない絶滅危惧種とは 思えません。

ただ、現実的にその数が少なくなってきているのは

アマモが豊富な藻場が

徐々に失われてきている ということも考えられます。

天然記念物にして絶滅危惧種。

彼らを育む 南三陸町の志津川湾は

国内では初めて「豊かな藻場」として

3年前にラムサール条約に登録されましたが、

震災復興事業による防潮堤や川の護岸などのコンクリートによって

海のph濃度が変わり

近年の鮭の回帰数が激減して不漁になっているばかりか、

藻場が痩せてきている という話まで聞こえてきました。

今後、ウニの生育にまで影響しないか 心配です。

「ラムサール条約登録」の名目だけでなく、

いえ「登録湿地」だからこそ、

現状まだ豊かに見える志津川湾の自然は

私たちが積極的に維持し管理していかなければなりません。

コクガンたちのためにも、私たちの豊かな生活の為にも、

手遅れになる前に。

 

冬鳥その6

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

やはり 2月は走って通り過ぎ、

早いことに もう 弥生3月ですね。

 

前回は、ヒドリガモをご紹介しました

シリーズ(?)観洋近くで見られる冬鳥。

今回は、前々回の 腹黒くない シロハラに続いて

腹の赤い オオアカハラです。

オオアカハラは シロハラと同じスズメ目ヒタキ科の野鳥で、

ツグミの仲間。

日本、サハリン、千島列島に分布し

主に千島列島で繁殖し、冬は日本で越冬する渡り鳥。

 

シロハラが こちら ↓ で、

こちら ↓ が ツグミ。

ご覧の通り 羽根の色や模様が違うだけで、

体の線、シルエットが よ~く 似ています。

 

ところで、アカデミックハラスメント、アカハラ は、

「大学の構成員同士の間にある力関係の差を悪用して、

大学における学び・教育・研究などを妨害する行為」の意味。

それも 「アカハラ」 などといったら

それはそれは

とんでもないハラスメント ということになってしまいます。

しかし、当の オオアカハラ君は 人間界の「アカハラ」など どこ吹く風。

シロハラ君と同様 とても食いしん坊で

同じ得意技「木の葉返し」を繰り出しては、

ガサガサと音を立てながら 夢中で餌を探して食べています。

~~~~~~~ ~~~~~~~ ~~~~~~~

△なかなか 開けた場所に出てきてくれないので

撮りにくかったオオアカハラ。

枝被り画像しか無くて 恐縮です。

北帰行

「もう 北帰行が始まったみたいですよ」

とは、南三陸ビジターセンター男性スタッフの言葉。

道理で、いつもの港で確認できる数が少ないわけです。

 

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

19日朝に センターで確認できた数も、80羽程度だったそうで、

もうコクガンたちが 北へ向かい始めたのではないかというのです。

少し驚きましたが、聞けば 前の冬も 気の早い群れは

大体同じ時期に 北へ向かって飛び立っていったそうです。

20日の朝には、北上川河口付近で観察していたセンター関係者から

北に向かい飛び立った一群の写真が スタッフ宛に送られてきていました。

二月も下旬ともなれば、もう コクガンたちも北に向け移動を始める、

ばかりでなく

同じ北上川河口付近では 同じ日に

早々と ヒバリの鳴き声も確認できたというのですから

これまた驚きです。

 

ヒバリと言えば、春を告げる鳥。

下は以前ブログでご紹介した石巻の麦秋を舞うヒバリのシルエットですが、

その時期になれば 上空高く舞い上がり

縄張りを主張して快活にさえずる 春夏定番の野鳥です。

それが もう鳴いていたと言うのですから、

春近し というより 既に春めいてきているということなのでしょう。

 

ただ、呑気なメンバーは GW前まで志津川湾内に居ますから、

コクガンウォッチングは まだしばらくは 楽しめそうです。

いつもの漁港に残るメンバーは、今日も元気に アマモを食べ続けています。

北へ向かう力をしっかり蓄えているようです。

 

おまけ・・・

冬鳥その4 は ヒドリガモ

20日の午前中には 観洋眼下の カモメの営巣岩近くまで来ていました。

クチバシを羽に入れて、お休みモード・・・。

ここ!

これからカモメの営巣が観察できる この窓から

肉眼で十分に確認出来ました。

メスも一緒で おそらくは ツガイ。

メスの視線がこちらを向いています。

どうしてどうして 警戒心の相当に強い鳥です。

 

ヒドリガモは「冬鳥」ですが、寒々とした時期に

観洋眼下のこの場所には 姿を見せていなかった気がします。

この行動も もう「春近し」の兆しなのか・・・はたして

仕舞には、カルガモまで姿を現して、

養殖用の浮きについたアオサか何かを食べていました。

そんな光景からしても、やはり 気分は春、という印象です。

 

冬鳥ヒドリガモ、いつもの港にも居ます。

頭が赤っぽい色なので緋鴨(ひがも) 緋鳥鴨 ヒドリガモと呼ばれています。

このヒドリガモ、日本で最も普通に見られる

淡水型のカモの一種なのですが、

他の淡水型のカモよりも 海上に出る傾向にある鳥で、

この通り、海上でアマモを漁っています。

 

コクガンにヒドリガモ、そしてカルガモ。

そうした野鳥たちの動きから 春近しを感じながら

いかばかりか 行く冬が惜しまれもした

先週末の午後でありました。

冬鳥 その4

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

福島県沖で発生した地震により

被害に遭われた皆さま方には

心より お見舞い申し上げます。

また、怪我をされた方々には

どうか 大事にされて

復旧復興も 十分お気を付けてお進めください。

 

観洋は固い岩盤の上で 堅牢な耐震設計ですから

建物自体に全く損傷は無く、

幸い 館内で大きな混乱も 器物の破損もありませんでした。

決して地震や津波などの自然災害の猛威は侮れませんが、

高台で 3.11の巨大津波を2階迄で凌いだ経緯もあり

南三陸ホテル観洋は

安心してご利用いただける宿泊施設のひとつでしょう。

 

災害に強い一面を持つ一方、豊かな自然環境に浸れるのもまた

観洋の魅力のひとつ。

周辺は、四季折々、様々な野鳥たちが訪れては憩います。

観洋近くで撮れた「冬鳥」その3 はこちら♪

「腹黒い」って 全く良い印象はありませんが、

こちらの野鳥は「腹が白い」。

 

その名も「シロハラ」。

「腹黒」の反対語が「腹白」ですから

名前からすると

どうやら 悪だくみをするようなタイプではなさそうですwww。

下のシロハラ、相当な食いしん坊のようで

白いお腹は はち切れんばかりにパンパンです。

「スズメ目」ヒタキ科に分類される鳥の一種。

だからでしょうかねぇ、

「スズメたち」とも仲良く餌を探して食べている様子。

決して 追い払ったりすることはありません。

「彼ら」は 東アジアに分布していて、

中国東北部からロシア沿海地方にかけての地域で繁殖し、

日本や朝鮮半島、中国で越冬する渡り鳥です。

日本ではほとんどが「冬鳥」で、

主に本州以南の積雪のない低地で見られます。

日本で越冬するシロハラは

春になると北方の繁殖地に戻ります。

誰もいなのに 積もった枯れ葉が「ガサゴソ」していたら

ぱっと 目を向けてみて下さい。

得意技「木の葉返し」を繰り出して

餌を探すシロハラに出会える筈です。

お腹の白~い

 

シロハラでした♪

 

一方、いつもの漁港の冬鳥コクガンは 変わらず元気にしています。

そんな 冬鳥たちもびっくりの

気温17度とか18度とか、

週末は もう春同然、

初夏かとも思えるほどの陽気になり 近くの突堤には釣り人の姿も。

それでも まだ2月。

三寒四温、当然 寒さの戻りがありますから、

くれぐれも体調管理にはご注意を。

冬鳥 その3

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

節分、立春が過ぎ

気温も10度以上になったりしてましたが

寒さはこれからが本番の 如月2月。

寒さが緩んだ先週の土曜日、いつもの港に出かけてみると

???!  少ない!  越冬中のコクガンが「まばら」なのです。

まさか、もう北へ向かってしまったのでは?

とも思えてしまう光景に 少し驚かされました。

しばらく様子を窺っていると・・・、ああ  なるほどぉ、

仙台ナンバーの車が何台か出入りして

数名が港を視察、あるいは査察していました。

いつもと違う雰囲気を感じ取ってか

岸壁辺りには寄り付かずに 水上に居たようで、

いくつかの群れは 一時的にこの場から離れていたようです。

しかし、Bluebirderの心配などよそに

当のコクガンたちは 元気いっぱい!

オオバンの採ったアマモを 横取りして食べています。

もの凄い勢いで迫った瞬間です。

勢いの余り コクガンの首の周りに「水の襟巻」が出来ています。

す、凄・・・・・    普段は澄まして

優雅な雰囲気を漂わせているのに( ^ω^)・・・

そうそう、5日には 志津川湾内の全数調査が行われ

年末の調査同様 400羽ほどが確認されています。

 

そんな コクガンたちの居るこの小さな港には、

ほかにこうした冬鳥も飛来しています。

曇り空の ロングショットで

ぼんやりした被写体になってしまっていますが、

ここは 雰囲気でご覧いただくということでご容赦を。

カンムリカイツブリ です。

全長56㎝ほど。

首が長く、水面に軽~く浮いている水鳥。

夏羽は、頭部に赤褐色や黒色の飾り羽が出ますが、

今は冬羽で 顔から首は白く、目の下に黒い線があります。

くちばしは桃色。頭上には黒色の冠羽があります。

 

脚は体の後方に付いていて 脚だけで潜水が可能。

小魚を主食にして、甲殻類も食べちゃいます。

カイツブリ類の中では最も大型で、

潜水時間は カイツブリが30秒なのに対し、

何と50秒ほど潜ることができます。ですから「狩り」も余裕です。

現在は 絶滅が心配されるほどの種ではありませんが、

ひところ 乱獲で激減した時代もあったようです。

「群性が強い」と 図鑑には記されていますが、

こちらの個体は群れずに「単独」。

冬の海 ポツリと置かれた水鳥が一羽・・・

心なしか 寂しげでなりません。

 

が、どうも強気な「お顔」から察するに

「そんなことはないよ!」と

お"カンムリ"のようにも見える"カイツブリ"なのであります。

冬鳥 その2

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

いよいよ寒さが厳しさを増す中、

早いもので もう2月ですね。

 

さて、先週に続いて

冬、南三陸町は観洋近辺で観られる野鳥のご紹介です。

 

こちらは、紅猿子。

えっ? ですよね。ごもっとも。

 

何と読むのかといいますと、「ベニマシコ」。

胸からお腹の辺りの鮮やかなイチゴ色が特徴的なオスです。

 

顔は「猿顔」、

で 紅(ベニ)猿子(マシコ)と呼ばれるようです。

 

実は このベニマシコ、「冬鳥」ではありません。

「漂鳥(ひょうちょう)」です。

漂鳥というのは、日本の中で季節的な移動をする鳥のこと。

標高の高いところや、緯度の高いところで繁殖し、

冬はより暖かい地域に移動し越冬します。

北海道と青森の下北半島で繁殖し、

冬は本州から南の山地の落葉樹林のヤブや

水辺のアシ原でよく見られます。

観洋辺りで 決まって姿を見せるのが、

うっすらと雪の積もった晴天下のヤブの中。

ですから てっきり「冬鳥」と勘違いしていました。

クルクルと体の向きを変えながら

"フィッ!フィッ!"と鳴いて移動しますから、それと直ぐにわかります。

 

雪とイチゴ色のコントラストが鮮やかできれい♪

っていう写真を撮りたいのですが、

なかなかタイミングが合わないのと、

やはり 彼らもレンズが嫌いなようで・・・。

~~~~~~~~

さてさて、

南三陸町の豊かな自然のシンボル的存在の冬鳥 コクガンですが、

先日 南三陸海のビジターセンターに伺ったところ

女性スタッフが

「いつもは100羽前後なのが、

今朝は150羽以上確認出来ました」とのこと。

更に「お隣石巻市の北上川河口付近にも

1群れくらい確認出来た」そうです。

写真は、先月29日のいつもの漁港での様子。

寒さが厳しくなるにつれ、志津川湾のコクガンの数は

まだまだ 増えてきている様子。

大好物のアマモの藻場が 豊かになっている証しでしょうか。

前のシーズンの飛来数300羽以上は

去年暮れにカウントしていますから、

今シーズンは果たして・・・

冬鳥 その2

一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。

 

この前は、ツグミをご紹介しました。

今回も冬鳥を紹介したい・・・、と 考えていましたが

どうも このところ 声はすれども姿は観えず、

その上、姿を現した時には カメラを持っていない

ということばかり・・・、なのが この1羽。

ジョウビタキ。こちらは オスです。

胸からお腹にかての橙色と灰白色の頭、

黒い顔が特徴的で ほかの鳥とは区別しやすい1羽。

 

冬鳥として、全国に渡来するので 各地で見かけることの多い鳥です。

積雪の多い土地ではあまり越冬しないようですから

例年より雪の降ることの多い この冬の南三陸町には

少し戸惑ってしまっているかも知れません。

観洋近辺にも出没していますが、

今シーズンはシャッターチャンスを逃してばかり。

ですから、こちらは数年前の写真。

 

一般的に「それほど 警戒心は強くない」と言われている通り、

まるで思わせぶりに

そこに居ることを「主張」する動きを見せたりしますが、

レンズはあまり好きではなさそうで

撮ろうとすると どんどん離れて行ってしまいます。

名前のジョウは「尉」で 銀髪のこと。

ヒタキは「火焚」で、火打石をたたく音に似た音を出すことから

ジョウビタキという名があります。

時々 ぴょこんとお辞儀をして 可愛い鳥です。

こちらは スズメ。

瀬戸内地方に伝わる民話によれば、

ジョウビタキ と スズメは その昔 姉妹だったそうな・・・・・

その内容は、ネットで検索してみて下さいね。

ちょっと悲しい民話を知ると、また少しその姿が印象付けられます。

 

さて、いつもの漁港のコクガンたち。

こうして、

岸辺で過ごす個体が多くなってきたようです。

いよいよ寒く 水も冷たくなってきたからでしょうか。

 

一方、観洋眼下の カモメ。

ツガイと思しき2羽は、

他のカモメが近づくと、揃って激しく鳴きたてて

縄張りを主張しています。

この春の営巣は、このカップルで決まりでしょうか。