一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。
あの黒いシックな衣装の一団は、
そこには もうすっかり居なくなっていました。
志津川湾の小さな港。
先週アップした写真を撮って一週間後の13日、
暖冬の中、ここに居たコクガンたちは、
伊豆沼のマガンや白鳥と同様、
例年より早い北帰行になったようです。
小さな港には、係留された漁船が数艘。
水面には オオバンやクロガモが何羽か 居るだけ。
寂しいものです。
そんなセンチな気分で 入り江の奥に入っていくと・・・・・
?????!居たではありませんか! コクガンが!!!
ただ一羽、生態調査用の標識と発信機を付けて
ぽつんと取り残されていました。
首のネックレス模様の 明瞭度と幅からすると、
比較的若い♀かも知れません。 (勝手な考察ですが 笑)
この港を訪れる度、標識を付けた個体は確認していましたが、
その頃から 動きがおっとりしていて、
快活さも余り感じられず 大丈夫なのかと心配していたのですが、
まさか 取り残されてしまうとは・・・。
緩慢な動きを観ていると、何となく弱っているようでもあり
背中の小さな発信機でさえ重そうに見えます。
渡り鳥たちは、群れで北へ向かうのだと思われますが、
果たして 単独の渡りは 有りや 無しや???
仮に渡らないのであれば、
そんな心配をよそに、彼女(?)は ヒドリガモと寄り添ってみたりしながら
ゆ~ったり、あくまでもゆ~ったりと 入り江の時間を過ごしています。
次の日、
観光船第三はまゆりから「志津川港付近に コクガン居り!」との情報が。
早速駆けつけてみたところ、居ました いました!
八羽だけですが、盛んにアマモを食べていました。
時々オオバンから横取りしながら。
そんな姿と様子を見て、まだ居てくれたことに
少しホッとしたりもしたのですが、
この辺りに居るということはもう北へ向かってしまうわけですから
一冬 追いかけてきた身としては、
やはり 寂しさは拭えません。
発信機を付けた「彼女(?)」も
ひょっとしたら八羽の中に居たのかも知れませんから、
それならば、このメンバーと一緒に 元気に旅立ってほしいものです。
ところで、そんな海辺の公園で、ひとつ幸運な出来事がありました。
珍しい野鳥と 初めて出会えたのです。
はい、シジュウカラガンです。
ただ一羽、渡りの群れから たまたまはぐれてしまったのでしょうか。
芝にクチバシを差し込んで 何か食べている様子でした。
シジュウカラガンといえば、マガンの群れとともにごく少数が伊豆沼に
飛来していることでも知られていますが、内陸の沼周辺で見かけこそすれ、
まさか海辺で、それも志津川湾で出会うとは 思いもかけませんでした。
公園では、珍鳥とも知らぬ子どもたちに「わぁ~!」と追い立てられては
舞い戻って来るということを繰り返していたシジュウカラガンでしたが、
こんなシーンも・・・。
未知との遭遇? それとも ご挨拶?
どこか 笑っちゃいそうな場面ですね。
とかにく、生態調査用の発信機を付け一羽取り残されていたコクガン同様、
無事に 北へ渡れることを祈るばかりです。