一週間ぶりのご無沙汰です。Bluebirder*Sです。
えっ「ファデエフスキイ島」?
ですよねぇ(笑)。
東シベリアにある島で、
今月17日に初めて公表された
コクガンが渡りで夏場に過ごす島なのです。
東アジアを中心にその数が9000羽にも満たないため
これまで研究が進まず、
繁殖地の究明さえも課題になっていたコクガン。
今回、GPSによる調査結果が発表され、
謎に満ちていたその生態が いくつか解明されました。
コクガンの追跡調査が発表されたのは、今月17日
南三陸町の戸倉公民館2階にあるネイチャーセンターでのこと。
宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎研究室長が公表しました。
調査は 今年1月に4羽の幼鳥にGPS発信装置を付けて追跡したもの。
下の図が 今回判明したコクガンの渡りの経路です。
東アジアに棲息するコクガンの渡りの実態が明らかになるのは
国内でも初めてのこと。
幼鳥は、ここファデエフスキイ島で
換羽、つまり羽が抜けかわったそうです。
繁殖地のひとつ レナデルタの様子も 紹介されました。
レナデルタは 下の地図で赤い印のところ。
コクガンたちにとって
ファデエフスキー島からはひとっ飛びの場所のようですが、
今回GPS発信機を付けた個体は幼鳥でしたから
繁殖には向かわず ここには寄っていません。
他に、コクガンたちの居場所は
好物のアマモの藻場とほぼ一致していること。
志津川湾での越冬では、 ひとつの群れの行動半径は
せいぜい12~30㎢で 意外と狭いことも紹介されました。
そうそう、あのオオバンからアマモを奪う行動ですが、
「労働寄生」って言うんですって。 初めて知りました。
それでも、オオバンがコクガンの傍を離れないのは、
他のカモからの理不尽な攻撃を避けられるからなのだとか・・・。
アマモを求めて相も変わらず 快活に泳ぎ回る コクガンたち。
また少し、親しみが増しました。