二週間ぶりのご無沙汰です。

BlueBirder*Sです。

 

この10日11日には、日本平山頂(静岡市清水区)の梅園で、

梅まつりが開かれたそうですね。

園内には約350本の白梅や紅梅、

蝋梅(ろうばい)があって、

寒さの影響で白梅などの開花が遅れていましたが、

訪れた市民などは、ようやく見頃を迎えた紅梅を眺め

少し早い春を感じていたそうです。

 

春、と言えば 立春を迎えた辺りから

南三陸町の志津川湾の光の色も少し春めいてきました。

春も もうそう遠くありませんね。

 

とは言え、季節はまだ「冬」。

さて、今回は「冬」の季語になっている野鳥をご紹介します

英名を「オスプレイ」。

あのアメリカ軍の輸送機名の由来。

和名を「ミサゴ」といいます。

ワシやタカの仲間、猛禽類のひとつ。

上空高くから勢いよくドボンと水の中に飛び込み

魚を捕食することから

「魚鷹(うおたか)」の異名も持っています。

 

獲物を見つけると

素早く翼を羽ばたかせて空中に静止する

ホバリング飛行をした後 急降下、

水面近くで脚を伸ばし両足で獲物を捕らえます。

この「ホバリング」が容易で

縦横無尽に飛行できることから、

あの戦闘機は「オスプレイ」と命名されたそうです。

 

捕らえた魚は小さければ片足で運び、

大きいものは手拭を絞るように握り、

魚の頭を先に向け縦にして運びます。

まるで、ミサイルを抱えた戦闘機のよう。

メスの全長は63cm、翼開長174cm。

トビとほぼ同じ大きさのタカ。

尾は短めで、翼は長め。

背面は暗褐色で、下面は白色。

翼の下面には暗褐色の模様があります。

ただ、ミサゴは冬の季語、というのは意外でした。

南三陸町の志津川湾上空にも、頻繁に姿を見せます。

国内では全国で見られ、北海道では夏鳥ですが

絶滅危惧種として

レッドデータブックに掲載されています。

巣は大木の上や崖の上などに木の枝を集めてつくり、

海岸、大きな河川、湖沼など

大きな魚がすむ波静かな水面のある環境に生息しています。

 

ミサゴは 魚を捕るタカとして古来より知られ、

『日本書紀』では

覚賀鳥(かくかのとり)と記されているほか、

様々な文献で記述があるようです。

その一つに「ミサゴは捕らえた魚を貯蔵し、

漁が出来ない時にそれを食べるという習性があり、

貯蔵された魚が自然発酵してミサゴ鮨となる」という

言い伝えも。

ミサゴが貯蔵したことにより発酵し、

うまみが増した魚を人間が食したのが

寿司の起源であると伝承されています。

古来からこうした人との関わりを持っていたミサゴは、

今や絶滅危惧種。

現に西日本ではその姿が少なくなってきていて

絶滅の危機に瀕しています。

 

冬の季語 ミサゴ。

季語とは、連歌、俳諧、俳句において用いられる

特定の季節を表す言葉。

冬の季語「ミサゴ」が居なくなるということは、

季語の一つが失われるということ。

日本の文化に関わる存在が、

またひとつ失われるということになります。

温故知新。

古きを訪ね 新しきを知る

過去にミサゴから鮨造りを教わったように、

私たちが野生生物や自然に関わり学んだこと、

学ぶべきことは少なくありません。

何より忘れてならないと思うのが

多様性が産み出し続けている自然の上に

私たちの生活できる環境が成り立っているということ。

種が一つ、またひとつと失われていくということは、

その分だけ

私たちの生活する環境が悪化していくことになります。

 

南三陸町には、まだ ミサゴが居ます。

それも当たり前のように。

川の流れを見下ろしながら優々と飛ぶ姿に

絶滅が心配されているなんて微塵も感じられません。

 

命あるもの同士、

互いに畏敬の気持ちを持って共生し調和していければ、

私たちの船 宇宙船地球号は安泰でしょう。

 

仲良くして行きましょう。

今の内に。

 

☆ 尚、撮影場所は 南三陸町内 林漁港

並びに 歌津旧ウタチャン橋付近です。